8.涙

美しき人が流したたくさんの涙乾いて天(あめ)の大河と
(彩月)

連作(八首)
凛として唇にはそう微笑みを頰すべり落つ涙ありても
懸命に生きている証ひとまえで流せる涙もしのぶ涙も
出会いの日別れの日にはいつだって涙がそっと寄り添っている
ぐしゃぐしゃに涙流していいじゃない大人になっても生きているなら
幸せなこともそうでないことも涙流してすべて流して
悲しみを自覚する為あるならば涙は贈り物でもあるか
流れ消え乾ききっても忘れない天(あめ)に流れる大河となるから
覚えてて涙の後も必ずや笑顔のきみがいたこれまでを
(彩月)


空虚な部屋で呟く。

ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。

それから

さようなら。
さようなら…。

小さな涙が乾いた頰を湿らせる。
理不尽な悲しみや怒りが堰を切ったように溢れ出し、大きな声を一度出した。
一度だけ。

涙が止まったら、
最後にもう一度。

さようなら、
ありがとう。
(よる子)

彩月とよる子の気まぐれで出来たことばと写真の出逢いたち。世界のほんとうを探すふたりの旅路。 彩月(すずかぜ彩月) 短歌担当。絵本作家になるための一歩を踏み出したばかり。ペンネームはすずかぜ彩月。パステルとうさぎが大好き。自分を磨き、探究し続けている。 よる子 写真、詩担当。試行錯誤しながらHP作りをしている。難病持ち。寝たきりになる前にやることがたくさんあるのでいつも頭はフル回転。