74.光を探す人

光を探す人

(彩月)

連作(首)

(彩月)


生身の身体があるからこそ自由。

思考し、時何かを作り上げ、あなたの手を握る。
されど、身体がある故に不自由。

差し当たっては
のしかかる重力
日々潰れていく骨

頭に巡らぬ血液

酸欠の魚のようにぱくぱくともがく私。

いつまで続くのか。
しかし、続く限り命はあるということ。

失ったものがあるから
当たり前のことに焦がれ、尊く偲ぶこと。

少しだけ取り戻した経験があるから、
希望を持てるということ。

それでも駄目ならなら駄目で、それが私に与えれたしあわせで
数えきれないほどの宝物がたくさん隠れていること。

こんな夜が続くと忘れてしまいそうになる。
自覚するのは、重力、臓物、骨、痛み、あるはずの空気。

どんなものでも与えられたものは十二分に使いたい。
だからどうか、
今日も誰かを羨むことがないように、強い心が持てますように。
不満を嘆かず、光を探す人になれますように。
強く、強く、祈る。
(よる子)

彩月とよる子の気まぐれで出来たことばと写真の出逢いたち。世界のほんとうを探すふたりの旅路。 彩月(すずかぜ彩月) 短歌担当。絵本作家になるための一歩を踏み出したばかり。ペンネームはすずかぜ彩月。パステルとうさぎが大好き。自分を磨き、探究し続けている。 よる子 写真、詩担当。試行錯誤しながらHP作りをしている。難病持ち。寝たきりになる前にやることがたくさんあるのでいつも頭はフル回転。