(彩月)
連作(首)
(彩月)
生身の身体があるからこそ自由。
思考し、時何かを作り上げ、あなたの手を握る。
されど、身体がある故に不自由。
差し当たっては
のしかかる重力
日々潰れていく骨
頭に巡らぬ血液
酸欠の魚のようにぱくぱくともがく私。
いつまで続くのか。
しかし、続く限り命はあるということ。
失ったものがあるから
当たり前のことに焦がれ、尊く偲ぶこと。
少しだけ取り戻した経験があるから、
希望を持てるということ。
それでも駄目ならなら駄目で、それが私に与えれたしあわせで
数えきれないほどの宝物がたくさん隠れていること。
こんな夜が続くと忘れてしまいそうになる。
自覚するのは、重力、臓物、骨、痛み、あるはずの空気。
どんなものでも与えられたものは十二分に使いたい。
だからどうか、
今日も誰かを羨むことがないように、強い心が持てますように。
不満を嘆かず、光を探す人になれますように。
強く、強く、祈る。
(よる子)