79.寄り道

寄り道

(彩月)

連作(首)

(彩月)


出発はいつも少し早く。
猫のジロウにおはようさん
道端の花を見つけて
膨らんだ蕾ににんまりし
階段を踊るように駆けていく。

君に会えば
あっちに行ったりこっちに行ったり。
お茶の約束だったのに、ねぇ私たち何でこんなに歩いているのと弾けるように笑う君。

帰り道は少しさみしくて、
猫のジロウは見つからず
見つけた花はすやすや眠り、
蕾は月下に花開く。

僕のお出かけはいつも寄り道小径。
振り返って街におやすみなさい。
階段を踊るように駆けていく。
(よる子)

彩月とよる子の気まぐれで出来たことばと写真の出逢いたち。世界のほんとうを探すふたりの旅路。 彩月(すずかぜ彩月) 短歌担当。絵本作家になるための一歩を踏み出したばかり。ペンネームはすずかぜ彩月。パステルとうさぎが大好き。自分を磨き、探究し続けている。 よる子 写真、詩担当。試行錯誤しながらHP作りをしている。難病持ち。寝たきりになる前にやることがたくさんあるのでいつも頭はフル回転。