初めての虹はほんのり淡かった空の一部と溶けていたっけ
(彩月)
連作(首)
(彩月)
画面に表示された豪雨の文字。
文字とは裏腹に外の景色はあまりに静かだ。
窓を開ければ雨の匂いも、道に弾ける雨粒の音も聞こえるけれど、
此処は遮断されている。
良くも悪くも。
最後に傘をさして外を歩いたのは何年前だろう。
ぐずついた天気が好きな私。
傘は好きだけど、傘をさすのは嫌いな私。
雨が好き。
雨上がりが好き。
雨上がりの朝、大きな虹を見つけて遅刻した高校時代。
虹始見。
それを知っているから、雨が好きだと躊躇いなく言えるのだろう。
明日は晴れるか。
雨時々晴れ。
いつでも虹が見つけられるように、
明日は窓のそばで過ごそう。
(よる子)