21.大風
ただ今がその時ならば走れ飛べ大風に乗り「自分」を生きよ(彩月)
ただ今がその時ならば走れ飛べ大風に乗り「自分」を生きよ(彩月)
ふかふかの毛布にくるまれ目覚めたらカーテン開けて紅茶を淹れよう(彩月) 連作(三首)甘い夢続きが見たしまた眠るされど布団に溶けて消えゆく疲れ果て涙も枯れぬそんな日は布団にすべて身を委ね居る甘い夢悲しい夢もすべて知る布団日...
風の音と午後のまどろみたっぷりと浴びて揺られる洗濯物よ(彩月) 連作(五首)ふわふわと風のにおいをふくませて太陽浴びた真っ白タオル洗濯物干すその姿まぶしくて今日は何だか良いことありそうシャツズボンタオルスカート仕分けして...
積み木にて造りし家が夢の中幼子(おさなご)だけの魔法の世界(彩月) 連作(四首)積む時は楽しみながらじっくりと壊すは一瞬またはじめからひとつずつそっと重ねて手を離す崩れないよう指先震わせわたしだけ秘密のお家を生み出せる積...
燦々と注がる恵み受けたいと先の先までぴんと伸ばして(彩月) 連作(四首)晴れ小路フクギ並木の小道ぬけ芽生え萌ゆあお家守るためがっしりと堅く組まれて幾星霜石に萌ゆる芽首里の城壁がじゅまるの幹複雑に絡み伸び幾重にも照る小さき...
びっしりと張り巡らして水欲す誇り高く咲き続けるために(彩月) 連作(三首)子どもらと向き合う中で我に問う我の根っこはどこにあるのか選ぶべき道はどれかと悩むれば我の根っこに立ち返ればいい我の根は子らに光を見せること大丈夫だ...
あたたかな土の中にて息吹く芽がほっこり顔出しうんと伸びをす(彩月) 連作(五首)この星は大地と海が手を握り命を抱くまぁるい奇跡お目覚めは茶色いお布団いいにおい光を浴びて始まるいのちざわざわといのちの音が聞こえるか?眠り目...
凪いだ空懐かしふるさと胸の奥明日を見つめて朝陽を望む(彩月) 連作(四首)風吹けば我はふわりと飛ばされて親兄弟と別れし夕べふと浮かぶわがふるさとは何処(いずこ)へか思いかき消し明日のみを見るわたぼうし離れ離れになろうとも...
幾重にも広がるまる、まる、舞い降りて響け広がれ繋がれ歌え(彩月) 連作(三首)雨の日は土も柔らか水たまりそこは孤独な大地の痛み水たまり大地のへこみに注ぐ雨「ひとりで頑張らなくてもいいよ」溜まっても溢れることなく染み込んで...
冬の夜碧き銀河の懐に包まる我ら皆赤子なり(彩月) 連作(五首)生きててもいい?わたしこんなちっぽけで醜いこころのかたまりなのにすがるよう冬の夜空に手を伸ばす銀河が我のほお撫で降りる輝ける漆黒我は一粒の塵と溶けゆく銀河の果...