87.虹始見

初めての虹はほんのり淡かった空の一部と溶けていたっけ(彩月) 連作(首) (彩月) 画面に表示された豪雨の文字。文字とは裏腹に外の景色はあまりに静かだ。窓を開ければ雨の匂いも、道に弾ける雨粒の音も聞こえるけれど、此処は遮…

85.微睡み

(彩月) 連作(首) (彩月) 朝も昼も夜も関係なくこれまでを埋めるかのように微睡む。出口のあるどろどろに溶けた光の中に抵抗することなく迷いこむ。(よる子)

83.明日が来る

「明日が来る」希望かはたまた絶望かされど一条光は注ぐ(彩月) 連作(三首)「明日が来る」なんと諦め悪い奴来るなと言っても来やがる今日も😤優しさか残酷なのかわからずもひとまず明日とやら受け入れよう「明日が来…

76.文句いっぱいな彼女の物語の続き

目覚めての不満文句はお日様の優しさの中溶けて明日へと(彩月) 連作(三首)生きなくていい人なんて誰もいない文句不満も生(せい)あればこそありふれた生でもそこに物語不満文句にささやかな愛光見よ袖擦れ合えば人生の一部になりぬ…

70.おはよう

(彩月) 連作(首) (彩月) あなたが私に最初にかけた一言は特別な言葉なんかではなかった。ただ、「おはよう」と。ただし、愛を込めて。朝靄の中、山脈の岩はあなたのおはように呼応するかのように光り輝く。(よる子)