84.ただいま!

「ただいま!」に「おかえり!」言える嬉しさよおかえりおかえりやっとおかえり(彩月) 連作(三首)「ただいま!」と扉を開けたその時の我が家の匂いの香水が欲し「ただいま!」と明るい声で言えるなら家でも人でも母校でもいい誰しも…

73.散花讃歌

(彩月) 連作(首) (彩月) 散花をうらめしく見るのはやめた。讃歌にて見送る。さようなら、また来年。瞬間の美しさを、1日を見せてくれた花たちにこれから巡る季節に讃歌を贈ろう。来年こそ、また会おう。(よる子)

66.夢見桜

(彩月) 連作(首) (彩月) 淡い空の色彩に溶けゆく季節の移ろいの中賑やかに集いし鳥たちに目を細め儚くも永遠に続くかのような春の夢。香りまであたたかくここは楽園かと錯覚する。(よる子)

65.束の間の静寂

(彩月) 連作(首) (彩月) 一筋の光が花を射る。辺りは騒がしいというのに、そこだけは静寂が生き物のように怪しく息を潜めている。 気づいてしまったからには時遅し。華やかさなどには無縁の孤高の花に魅入る。 目に見える束の…

18.積み木

積み木にて造りし家が夢の中幼子(おさなご)だけの魔法の世界(彩月) 連作(四首)積む時は楽しみながらじっくりと壊すは一瞬またはじめからひとつずつそっと重ねて手を離す崩れないよう指先震わせわたしだけ秘密のお家を生み出せる積…